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Q.50幼稚園の子どもの競争心について。
2022-07-22
Q.幼稚園の子どもには競争心は必要でしょうか?
A.『自らの向上心を鍛える競争心』や『チームの成長につながる競争心』は、大切だと思います。『人を蹴落とす』『ずるをする』『天狗になる』等の、行き過ぎた競争心はお勧めしません。
【自らの向上心を鍛える競争心】
勝負事には、相手がいます。相手に負けないよう、自らのわがままな心を律し、努力をして、自分を鍛えていく向上心は素晴らしいことだと思います。
【人様に自慢するための競争心はNG】
勝負に勝った時に、勝利を鼻にかけるようだと、高転びがやってきます。
たとえ自分の努力の結果だったとしても、周りの人の指導や、協力、応援はあったはずです。『お陰様で』という感謝の心や、謙虚さを失ったら、転落が始まることを、法則として伝える必要があると思います。
【何でも1番になりたい時の注意点】
幼稚園では、『なんでも一番にならびたい。』ということで、お片付けもせずに「いちばーん」とさけんで並んだり、どちらが先だったのか、押したり叩いたりが始まることがあります。
そのようなときは、「あなたの分まで、お片付けをしているお友達の気持ちを考えたことがありますか?」「後ろで並ぼうとしているお友達が、いさかいに巻き込まれないように並ぶにはどうしたらよいか、困っていることに、気づいていますか?」等を話しています。
『他人に迷惑をかけてまで、一番になることは、善いことではない』と伝えています。
【チームの成長につながる向上心】
互いに励まし合いながら、努力して勝利に向かう姿は団結の美しい姿です。結果に対して、喜びも悲しみもチームメイトと共有するよろこびは、何物にも代えがたいものがあります。
【勝負事にも善悪があることを伝えましょう】
『あの子がメンバーでなければ、勝てたのに。』という気持は、リレーやドッチボールなどの勝負事の時におこることがあります。
田浦幼稚園では、「自分がその子の立場で、同じことを言われたら、どんな気持になるか。」聞きます。対象のお子さまの努力の姿を伝えることもあります。人との関わる体験の中で、善悪を学んでいます。貴重な経験知だと思います。
【人と競争するときはフェアであること】
人を蹴落とそうとしたり、ずるをしたり、二枚舌を使ったり等がないよう、努力の心、感謝の心、祝福の心、正直さ等、人としてのあり方を、常々お子さまに、お話ししておく必要があると思います。
【競争相手も自分も、神様仏様の子ども】
競争相手も、自分と同じように、神仏に愛されている人間という点では、同等であることを、小さい頃から伝えておく必要があると思います。
この視点は、田浦幼稚園では、在園のお子さまに常々伝えています。
【自分との競争には、永遠の向上があります】
『自分との競争に終わりはない。』とは、お釈迦様が唱えた精進の姿勢です。人との競争は、勝敗がはっきりありますが、自分との競争には終わりはありません。
自分との競争には、『昨日より今日、今日より明日』と、永遠の向上がありますので、人を見下したり、卑屈になったり、傲慢になる余地はありません。
以上、競争心を人としてあり方から、お伝えさせていただきました。
小さいお子さまをお育ての場合は、方向性を同じにしていただければ大丈夫かと思います。年齢や気質に合わせた育て方を、工夫されてみて下さい。
